『こちら化け物殲滅課』

深影一輝様(id:mikage08)の新作シナリオ。
『サラリーマンだって地球を守れるんだ!』というキャッチフレーズ通り、企業、そしてその社員にスポットを置いたリアルロボット物のシナリオです。
最初この設定を目にした時、PSソフト『有限会社地球防衛隊』を思い出しました。
PSの隠れた名作だと思います。
……って、ちゃうもん宣伝してんなや自分!!
今より少し先の未来、突如正体不明の化け物が出現、それにより民間企業が対化物用人型作業特機『AIM』の開発、運用を許可されているという、自衛隊涙目なある意味カオスな設定。
民間警備会社の枠を越えてるよね、実際。


そして主人公は中小企業『株式会社イズミ』、『化け物殲滅課』という警備部門に配属されて間もない新入社員。
かなり生真面目だがいたって普通のお兄さんです。うちの馬鹿桃真に爪の垢を飲ませたいぐらいに。
しかし、そのまわりを固める脇のふたりの方がキャラが濃いせいか、微妙に影が薄く感じられたのは気のせいだろうか?
特に課長なんて、いい感じに後藤隊長です。


プロローグ序盤は軽く日常生活を流し、個々のキャラを立たせているって感じ。
情報過多にあまりならず、見ててすんなり話に感情移入できた。
話を読み進めていく。すると、何と新人である筈の彼に、新型機が与えられるという展開に。
さらに、どうやら主人公の家族は化物…それも希少種である『人型』に殺されているという過去があるらしい。
要らぬトラウマになってそうだなぁと思いつつ更に進める。
そして新型機との初お目見え。が、そこでイキナリのスクランブル。しかも主人公一人で放り出されるという展開に。
しかし……潔いなぁあんちゃん。うちの馬鹿桃真(ry


現地に到着した主人公。
しかし化物は既に他社の手によって一掃されていた。
何だ無駄足かぁと思うのも束の間、地下からの襲撃に次々と倒される他者AIM。
そして襲撃してきた化物が『人型』であるため、トラウマスイッチが入っちゃう主人公。
どうなるの?とか思っていたら、なんと多くないエールと自己完結により、主人公復活!!
しかもそれを起因に、新型に搭載された新システムが起動し……
ってΛドライバやんコレって!
いや、あれほど反則的な性能ではないですがwwww
気合パンチにたじろぐ人型。距離を置いてザコをばら撒き、いざ戦闘開始!


初期気合値が高いというのもあって、ザコはアッサリ一掃。
ボスである人型も、主人公が最初から忍耐を覚えている為、一気に隣接しカウンターで気合パンチをしてるだけでクリアできた。


戦闘終了後、新型機に搭載されたシステムの雛形を生み出したのが主人公の父親であると明かされる。
父親の知らなかったもうひとつの姿とその志を知り、形こそ違えど同じ道を歩もうと心に誓う主人公。
……と、言う所でエンディング。


全体的に当たり障りなく纏まった、48pぐらいの読みきり漫画を読んだような印象のシナリオでした。
短編は、こう在るべきだ(^ω^)
が、そう思う反面、主人公の心の葛藤や、『ロボットを運用してるのが軍でなく会社』という設定が、軽くなってしまっているのは否めないです。
もう少しロングスパン…は無理でも、前・後編にわけて、そのあたりを掘り下げて欲しかったかも。
そう思わせてくれる良作でした(^ω^)